この歌というか、この人すごいな~と思う人が百人一首のなかに居ました。
小倉百人一首にも選ばれている、元良親王(もとよししんのう)という人の和歌。
わびぬれば 今はた同じ 難波(なには)なる
みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
思い悩んでしまったら同じこと。破滅してでも会いたい。
…というような意味であるらしいですが、
天皇の娘に手を出して謹慎処分を喰らったあとに、この歌を読んでいるのだそうです。
百人一首の歌を鑑賞していて、だいたいの歌が妄想の中から出てこず、和歌を詠んでいる感じを受けるわけですが…
この人はちゃんと(?)実行をした後にまだ懲りずに言っているわけで、こいつの想いは本物じゃないですか。
もともと好色な人らしいが、懲りない面々とも言うべきかは歌を読む人の価値観によるとは思いますけどね。。。
紫式部が主人公の大河ドラマは見ていない(見ることができない)が、
源氏物語にしたって、性に奔放なのが日本人というか人間の文化なので、
それらを肯定しないといけないのでは?と思ったりもする。
いや箍(たが)があるからこそ、文化になるのかな。
いずれにしても、社会的な強者でないと色恋もできない、とは言い切らぬまでも、
抑圧された性を描くスキルを伸ばし換金化する仕組みが必要(結局はお金に結びつけたくなる)
【言葉メモ】
※わぶ=思い悩むことの連用形。わびぬれば=思い悩んでしまったら…
※澪標(みをつくし)=身を尽くす。澪標とは、船の目印になるマークのことで、身を尽くすことによく例えられる。
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