結論から言っておくと、事業主になることは基本的にハイリスクノーリターンだと思う。ふつうはハイリスクハイリターンと表現するけど、ノーリターンじゃないか?
基本的というのは、何も考えなしというか何にも戦略なしに脱サラをすればハイリスクだし、結果的に投資資金を回収できる利益が上げられないのであれば、何も得られないことになりノーリターンになる。
ごく当たり前の話をしているだけだが、これから起業しようとしている人は自分が上手くいくことしか考えないようになる。
アントニオ猪木「出る前に負ける事考えるバカいるかよ」試合前に勝てそうか?と聞いたアナウンサーにキレている。
同じように頭に血が登った事業主はハイリスクハイリターンだと思っていたりしていて、下手したらハイリターンのところ、つまりは勝つことしか信じていない人もいる。でもさあ、その考え自体が危ういとぼやきたい。
(今回の記事は言うなればそれだけでオチはない)
経営はプロレスじゃない。
すべてが合理性のもと結果がはじめから決まっているわけではないが、もがいているからこそ掴み取れる転機と呼べるような「運要素」が舞い込む事もありえるものの、それは成功した人の苦労話に登場するからトッピングとしておいしいだけ。
運要素に頼んでいる時点でギャンブルにちかい。
いやギャンブルと言っても、ひとによって受け取り方は様々で、通常のギャンブルならまだ可能性がある程度は数値化されるだけマシかもしれない。
100分の1の確立で100倍になる万馬券と分かっていれば、まだベットする可能性はあってもいいが、誰がどう見ても墓穴に自ら転がりこむようにしか見えない人もいるわけだ。
例えるなら、金が命だとすれば、自殺行為。
溝に金を流す阿呆。
可能性に掛ける自分に酔っ払えるだけ陽気さがあれば救いも有る。
貧乏を楽しめるのは20代のうちだと言っていた人がいたが、何も残らなくても経験さえ得られれば万事OKなんて気楽な人もいる。
自分が年齢を重ねたので、結局のところ何も残らないと感じるようになったのかもしれない。20代に比べて最低限の生活をするためのお金を守らないとやっていられない。ただ私の主観だけが変わったのかもしれない。
いずれにしても、ノーリターンのことはやりたくない。と計画性を意識する頭になってきたのかもしれない。リスクがとれなくなったという意味では臆病になったのかもしれないが、以前よりも未来を見通せるようになってきたと思いたい。もちろんこれも錯覚に過ぎないかもしれない。成熟したという幻想に取り憑かれている人が哀れに思えてくることも有る。ただ自分が若い時と比べれば相対的にはマシにはなっている。
起業はハイリスクハイリターン…いいや、ローリスクローリターンかもしれないし、ローリスクハイリターンかもしれないし、ハイリスクノーリターンかもしれないし、ハイリスクハイリターンかもしれない。
であるとすれば、わざわざハイリスクをとらずにリターンを増やしていく方法を一所懸命に考えたほうが無難じゃね?そんな方法いくらでもある。極端なことを言えば伸るか反るか分からないラーメン屋に500万円をかけるよりも20万円かけて動画編集を学んだ方が個人的にはいい。デキる人からすると、お金のかけ方を間違えてスケールしないやり方でやっても、しかたがない面があるかもしれないが「自分の身の丈に合った方法がある」だろうし「自分の判断を信じる」ほうが他人はともかく自分は納得がいく結果になる。失敗しても選択したのは自分だけだし、他人を巻き込みすぎると精神的なダメージや信用の損失が大きくなる。
でもまあ、起こりもしないことを、あれこれ考えるのはいつになっても面白いものだし、その考え方を見つめているだけで、自分が何者であるか?が見えてくる気もします。実行するのはしんどいので、考えたことを代わりにやってくれる人がいればいいのに。で、メリットがある経験だけが享受できるといいのだが(夢のような話)。投資家という立場になれば、間接的にその感覚を味わえるのかもしれないけれど、やっぱり自分でまずはやってみないとダメだよな。でも、やっぱりハイリスクノーリターンだよなというところに最近は落ち着くし、上首尾でもノーリスクローリターンぐらいでいいやと甘んじている自分がいる。ローリスクハイリターンなことを夢想しながらローリスクノーリターンなことも多々ある。ハイリスクはとりたくない。それが今の私の心境。
40代、50代で事業を起こそうとしている人って、それだけで「尊敬する」年齢になってきた(苦笑)むかしは何歳だってやる気になれば何でもできるじゃないか!って思っていて、実際にそれを実践している眩しいおじさんは素晴らしいと思っていたし今も素晴らしいと思っているが、、、今の私には「自分と他人を冷めて眺めている、もう一人の自分がいるらしい(汗)
あなたは、新しく事を起こす時に何を得たいのですか?
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