戯言。不正して改ざんすべきか否かという究極の選択。

徒然草2.0

思考実験をしてみたい…。たぶん、私が思いつくくらいだから、この手の話を深く考えているひとがいるのでしょうが…

人はなぜビジネス上での不正をするのだろうか?(よく聞く不正は…社長や会計責任者が帳簿上の数字を書き換えること、工業製品のデータを改ざんすることだが…)不正しない人もいれば不正をする人もいるので、意思決定する人によって価値判断が分かれることになるので、ちょっと問題を考えてみた。

問題「あなたは社長だ。自社内で不正が発覚した。これを世間に公表すると自社の年間売上が1年で約20%落ちると。今なら事実を知る人は数人でもみ消す事が可能だが、隠し通せる確率は80%である。後から世間にバレた場合は年間の売上が50%消えて倒産する確率がある」さてどうすべきか?

不正を正すべきだという価値判断はとりあえず考えないものとして、諸条件のパラメータによって不正を隠すか隠さないかを判断してみよう…会社の売上が10億だとすると、世間に公表して2億が消えるのと、20%の確率で5億が消えるのはどっちがお得か?という話になる。

5億の20%は1億だから経済的損失の金額だけで言えば「不正を隠すほうがお得だ」でも現実問題として会社が傾いて従業員に給与が払えなければ社長としての面目はない。授業員に対しての社会的責任も、世間様に対しての責任も果たせない。

(ここから下は余談だが)

ここは会社のリーダーとして世間様にオープンにすべきだろう。心の中の勝利の女神がニッコリ微笑んだ…と一度は思ったが、今回の改ざんは従業員のささいなミスを隠すことからはじまり、仮にこれが世間にバレたところで人命に関わる問題ではない。食品に毒が混入していたらヤバイが、エンジンの品質評価はちょっとくらい曖昧でも、もともとの安全基準はバッファがあることを俺は知っている。この数値でも旧来の基準ではまったく問題ない。

…などと自分に都合よく考え始めると、悪魔の囁きが心の中を闇に覆っていく。

俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない。売上を落としたら雇われ社長の俺に来年はないぞ。こんなところでキャリアが終わるのか。家のローンはまだ20年残っている。私はいつだって冷静だった。今の冷静だ。今なら誰にもバレない。ていうかみんな不正なんてどこかしらやっているだろ?なんで俺だけこんなところで粟を食わなきゃならないんだ。ここで売上を落としたら競合他社に溝を開けられるぞ…ここは隠し通すべきだ!

…ま、何がいいたいかというと、価値判断っていろんなパラメータがあってむずかしい。私であれば心の安静を保ちたいから易い判断に流れそうで、そもそもこんな中小企業の社長をやってねーなと思うが。いずれにしても、どっちをとるのか前もって決めておけば悩まなくて済むのではないか。

これを考えた場合に「カントの義務論/道徳論が使えそうだ」が私なりの現在の回答です。やっぱり当たり前だけど不正はダメです。これを当たり前に排除していかないと、結局のところ長い目でも社会がダメになる。会社ダメにしても、社会がダメになってはダメです。自己都合を配して、いかに人間が固有にもつ理性法則をこえたもの「超越的な何か」に従うのか?が問われる必要がでてきます。

徒然草2.0
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