はじめに
トゥールミンモデルで話をしよう。
なぜなら、トゥールミンモデルは人間の脳の働きに沿った、相手に話を伝えのに最適な話し方だからです。
人間の脳の働きに沿っていれば聞いている人はすぐに話し手の言いたいことを理解してくれるでしょう。さらに話し手は主張を限定したり、論拠にさらなる裏付けをしたり、聞き手が主張を論駁したりできるため、相互に議論の全容が理解しやすくなります。古く議論の方法として三段論法などの証明方法もありますが、これは人間の頭の使い方としては不自然です。誰もが理解しやすい話し方をするためにも、日頃からトゥールミンモデルを癖付けましょう。
…というわけで、人に話を伝える時に最適な伝え方として、トゥールミンモデルというものがあります。
…私もトゥールミンモデルによる議論を訓練されたわけではないので、詳しい使い方はよく分かっていないかもしれませんが、とりあえずトゥールミンモデルの「3つの要素」を順番にとりあえず言っておくと、何がしか相手は理解してくれる事が多い気がします(よく、「お前の言っていることはぶっ飛んでいる」と言われることもありますが)。
すでに「はじめに」の説明は、トゥールミンモデルにしたがって書いているつもりですが、いかがですか?いろいろとつっこみどころはあるし簡潔すぎると思いますが、あらかた何が言いたいのか?や聞いている方が何がわからないのか?ははっきりしていて分かりやすいのではないでしょうか。
ということで、まずは…トゥールミンモデルの構成について説明しておきます。
1.主張(Claim)
とりあず言いたいことをまず先に言う。
言いたいことを言わずして、あれこれ言い訳から入る人がいますがまず自分の考えを先に言わないと話は始まりません。言いにくいことでも先に言ったほうが聞いている方は話に入っていきやすいです。
たまに主張した後、間髪いれず突っ込んでくる人がいますが、こちらもさっさと次のプロセスに移って言い切ったほうがいいと個人的には思います。
2.データ(Data)(または、根拠)
なぜそのような主張をするのか?データ・事実を示します。
論理学的にいえば「根拠」を述べます。ここがはっきりしなければ「なぜそのような主張をするのか?」わかりません。
主張に理由がなかったらおかしいですから、ここまでは普通だれもが話をする自然な流れだと思いますが(それでも意外にハショル人がいるのも事実)、でも、次が結構重要です。
3.ワラント(Warrant)(または、論拠)
根拠と論拠をよく分かっていない日本人は多いと思います。
つまるところ根拠を支えるさらに詳しい説明ぐらいに捉えておけばいいでしょう。
理由が理由になっていない…ということがありますが、それはつまり論拠が練られていない、論拠があと付けでしょうもない、つまりは論理的に考えられていないということになるでしょう。
主張を支える論拠がもっともらしい理由であるか、明確にする大切なところ。
ここの部分をいい加減にすると「主張を支える根拠が本当にもっともらしいと言えるのか?」わかりません。
主張→根拠→論拠の順番に話をすることを心がける
はじめに正しい思考の流れを書くと…
○「傘を持っていこうと思っています。なぜなら、昨日は雨が降っていました。昨日が雨なら翌日も雨がふる可能性が高いです。」※主張→根拠→論拠の順になっています。(なお、推論が正確かどうかは、問題ではありません)ちゃんと天気予報を見ろよ!と言いたくなるかもしれませんが、話者の話の流れが思考の流れに沿っていて、言いたいことが理解しやすいでしょう。
✕「昨日は雨が降っていましたので傘を持っていこうと思っています…というのは、昨日が雨なら翌日も雨がふる可能性が高いです。」※根拠→主張→論拠の順に書いているので、何が言いたいのかわかりません。
✕「昨日は雨が降っていました。昨日が雨なら翌日も雨がふる可能性が高いです。だから、傘を持っていこうと思います。」※根拠→論拠→主張の順に書いているので、何が言いたいのかわかりますが、主張が最後なので聞いている方は「結論を先に言え!」とイラっとします。
✕「傘を持っていこうと思っています。昨日が雨なら翌日も雨がふる可能性が高いので…」※主張の後に論拠を述べています。論拠が短いので違和感はありませんが、やたら長いとなんで主張を支える論拠が明確にならないことがあるので、先に伝えたい根拠を並べたほうがよいでしょう。
文章を書くのにも使えるトゥールミンモデル
あとはこの3つの構成要素をおさえた上で根拠や論拠の裏付けとなる説明を加えて修飾したり、主張を説明するデータに対する反論を想定して例外や相対的な根拠(論理の強さ)を組み替えて、議論にふさわしいロジックの組み合わせを見つけ出す作業をしていけばいいのです。
最後に…まとめ。
強制的に自分が話したり買いたりする言葉をトゥールミンモデルにするだけで、、
・自分の考えを明確に自分でも分かるようになる
・自分の考えを明確に相手に伝えられるようになる
・生産性の高い生活ができる(自分で考えて行動できるようになる)。
…といった利点があると思います。相手が言っていることがわからない。自分の考えがどういう状況にあるか分からない。という人はまず、それらの不明な言説がトゥールミンモデルに当てはめた時にどこの部分が不足しているのか、明らかにするといいでしょう。自分や相手の主張の欠落した部分をフォローしてあげることで、円滑なコミュニケーションが可能になるとまでは言い切れないかもしれませんが、良いコミュニケーションをとるきっかけにはなるはずです。
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