『燃えよ剣』を読んでいる。司馬遼太郎の小説にはこれまで挑戦したが幾度となく読めなかった。
色々と理由はあるが、作者の考えがストレートに書かれているから嫌いなのだ。
例えばこれ↓
今夜は、府中の六社明神の祭礼であった。俗に、くらやみ祭といわれる。歳三のこんたんでは、祭礼の闇につけこんで、参詣の女の袖をひき、引き倒して犯してしまう。(中略)歳三だけが悪いのではない。そういう祭礼だった。
日本の夜這の風習は現代の価値観からすると野蛮で悪いことかもしれないが、作者の主観をわざわざ書かなくてもいいのに。
…いちいち読んでいて冷める。
実際の夜這いは生まれた子どもは村で育てられ、誰がどこの寝所に行くとか決められていたり、それなりのルールがあるらしく無秩序というわけではないらしい。
誰の子か分からん子どもを旦那は育てている例って実は今もあるので、わりと感覚的に今も変わらないのでは?
変に知恵を持ち制度化されるとそれが問題に思えてくるってだけでさ。
…江戸時代のフリーセックス文化はさておき、第三者提供の精子を用いる人工授精(AID)は7つの大学病院で行われていたというが公表はされていないそうだが、その数は数万人なのだそうだ。
これと比較するのはおかしいと思われるかも知れないが、じゃあ比較するのはおかしいという根拠は一体なんなのか?
目的があれば、人工授精は肯定されるのか?目的がない出産は、否定されるのか。
キリスト教原理主義のように、出産そのものはすべて肯定されるべきなのか?
生きることは苦であると釈迦は説いたが、人類は苦を感じる存在を産み続けているのだろうか?
善悪なんてもんは作者がどう感じるのか読者に委ねればいいのであって、
いちいち突然しゃしゃり出てきて言う事じゃないんだよなあ。
「しらんがな」といいたくなる。
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