どんな金持ちも、自分自身を選ばねば無である。
どんな貧乏人も、自分自身を選ぶなら全である。
誰にとっても肝心なのは、「あれ」でも「これ」でもなく、
「自分自身」であることなのだから。
セーレン=オーヴィユエ=キエルケゴール『あれか、これか』
ふと東洋経済の書評記事が気になって、すこし古いが野口真人というのひとの本を読んだ。
ファイナンス理論によれば、将来のキャッシュフローを最大化するためにどのようにリスクをとらえるか?というお金の計算をすることに尽きるというのだが…私も曲りなりに分散型のETF投資が中心であるが、財産の多くを証券化している身としては、なんとなく正しい選択をしているつもりになっているので、改めて考え方を学んでみようと思った。
2024年からNISAが拡充されて日本の投資クラスタ界隈では投資熱が盛り上がってくるが、日本人の投資嫌いは輪にかけてまだ強固な観念として残るだろう。投資否定派は「損をしない」ために現金(定期預金)で資産を持つことを選択する。無論その選択肢が将来未曾有の金融危機に晒されて正しいことになる可能性も皆無ではないものの、投資否定派にはそういった結論に至る可能性すらも断ってしまっているという意味では、私は「間違っている」のではないか?と考えている。正しいアップサイドリスクの捉え方をすることで、資産をマネジメントすることひいては財産ではなく、多くの可能性を得ることができるということを、学べば学ぶほど気がつくことができる(かもしれない)。
残念ながら私の投資の成果は、あんまり芳しくないが(苦笑)それでも、可能な限りのリターンを得るために死なない程度のリスクを取り続けて自分が自分であるために投資をしていくという姿勢が大切なのではないだろうか。
ここでいう投資は金融資産にかぎらず自己投資も含んでいる。
賭博黙示録カイジのカイジ君が危険な賭けに何度も挑んでしまうのはプロスペクト理論( 不確実な状況下で意思決定を行う際に、事実と異なる認識の歪みが作用するという意思決定モデル)で説明できるよなーとか現実の問題にあてはめて考えられる。
というわけで、知らないことがいくつも書いてあった。
例えば、オプション取引は不確実性のリスクを下げるためのもので、ただ危険な取引ではないということ=安全資産のウェイトが多い人にとっては、ハイリスクの商品を持っているほうが将来得する可能性が高い…等。
自らの医療やキャリアも、すべてはいくつもの選択で成り立っている。
人生の限られた時間に「あれ」も「これ」もはなく、ただ「あれ」か「これ」かしかないのだ。
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