読書『訂正する力』(東浩紀)を読んだ感想。いま日本に必要なのは訂正する力なのだ。

徒然草2.0

就活のときに「私の長所はぶれないところでーす」とか言っていたことがありましたが、これよく考えただただの頑固者ですアピールで痛々しい気がしないでもない。

すぐに仕事を投げ出さない人ですよ!と言いたかっただけなのですが、状況が変われば適切に変えていくこと、訂正していくことも必要ではないでしょうか。現在は売り手市場、気に入らない仕事や給料が少ない仕事は蹴って次に行けばいいという時代らしいです。時代が少し変われば状況って変わるのですね。

ちなみに、日本人はぶれることをよしとしない文化を大切にしていますが、逆にそれが仇になっているという指摘があれこれ詰まった本でした。

ぶれるくらいなら、リセットしてしまえ!という開き直りも日本人的である。それで70年前に国が滅びた。滅んでないつもりの人もいますが、、、たしかに悪い意味でソフトウェア(精神)は滅んでいません。ぶれないところは治っていません。

いっそのこと全てリセットして日本人なんか解体されればいいんだ!という気に私はなるときがありますが、それはそれで「リセット願望」になる。大東亜戦争(太平洋戦争)は官僚が集まってシミュレーションしたら負けることが確定したが、そのまま突入してシミュレーション通りに負けた。

そんなものに国民は突き合わされたということを忘れてはいけないのでは。というわけで「ぶれない」と「リセット願望」のあいだにあってバランスをとるのが、訂正する力でもあるそうです。

もっとしたたかに、少しずついい意味で修正していく方法を学ぶ。とくに社会・経済などの大きいものは破綻させることは許されないので、少しずつ修正せざるを得ないが遅々としてすべき改革は進まない。硬直化する意見に対して制度を柔軟に変更する能力を私達は手に入れなければならない。私達が戦わないといけないのは、反対の意見を言う勢力ではなく「ぶれない」ことに拘泥する他者であり、また「ぶれない」私自身なのかもしれない。

リセットしなくてはならなくなる前に訂正しよう。

というわけで東浩紀は食わず嫌いで避けてきましたし、ネットではあれこれ言われることが多いけど、向き合うとなかなか優れた優しい思想家なんだなというのが伝わってきます。他の書籍も読んでみようと思います。五反田でゲンロンカフェなるものをやっているらしいので、コスパがいいなら顔を出してみたいかも。

徒然草2.0
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