最近は養老孟司の本をよく読もうとしている。YouTubeでも色々なことに積極的に発言されているが『バカの壁』と『唯脳論』の時はその思想が一斉を風靡したと言っていいほど一部で流行ったが今はあまり見向きもされていないご様子。世間に飽きられてしまったのかもしれません。
当時、私の周りでもやたら養老孟司は素晴らしい!目からウロコの発想!みたいにやたら称えられていて、ひねくれものの私はそういうのが嫌(いや)で嫌(きら)いで仕方がなくて、テレビに出てきて竹島だか対馬の昆虫だか動植物は朝鮮半島が原産のものが多いなどと発言して古舘伊知郎を困らせているのを見て、何だか感じの悪い学者だなと思っていました。解剖学医ってみんな変わっている人が多いのかな(偏見)すべて脳のせいにしてるし、なんか言っていることが薄っぺらい。
「キリスト教、ユダヤ教、イスラム教といった一神教は、現実というものは極めてあやふやである、という前提の下で成立したものだと私は思っています」『バカの壁』
こんなこと言ったら、話が終わっちゃうし、アニミズムや多神教が好きな人にこび売るのかな?という気さえもする。宗教の進化論的には多神教は一神教の比べれば原始的なもの(無論それが是非を決めるものではない)。科学的事実(例えば光の速度)や超自然(人が分からないもの)は人間のコントロールから離れたものだ。それらを組み合わせて脳が人工物をつくるにしても、それ自体は自然な存在に過ぎないことを忘れてしまうのは危うい。養老孟司も別の視点を持つべきだというニュアンスである程度なので信奉者が誕生するカルトではない。弟子をとり寺子屋はじめたら危ない香りがする爺さんだが、箱根に自分だけの立派な昆虫博物館を作っているだけみたいだ。
…結局、『バカの壁』や『唯脳論』で言うていることは何となく分かったが、人間性が肌に合わないと感じていてどう転んでも賛美できない。別に賛美する必要はないが肯定する気も起きない。
でも、どうやら養老孟司は人は文明否定論者らしいということに最近気がついて、なーんだそれなら私とスタンスが似ているとちょっと思い始めたところだ。
本の内容はどれも薄い気がするので、1つの本をを深堀りするよりも複数ある本を斜め読みして水平分移動したほうが養老孟司の世界を感じ取れる気がしていて、あれこれ手にいれられるものから手にとっている。
…というわけで、養老孟司という老人になぞのシンパシーと、これから人気が急上昇することなんてない枯れた人だからということもあり安心して(?)「養老孟司は面白い」と言えそうだ。ずーっと精力的に本を出し続けているようで現在87歳ですが、まだ本を出し続けていて大したものですこの人。
コメント
養老孟司先生は愛猫まるとの日常がほのぼのとしていて良かったですね。
そのまるさんも今は亡くなってしまって寂しい限りです。
学者繋がりで川上和人先生の『鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ』は如何でしょうか。
タイトルの通り鳥類学者の川上先生が綴る研究の日々です。
私は『無人島 研究と冒険半分半分』で先生を知ったのですが、先生が面白すぎて著書を片っ端から読んでいる最中です。
良かったら是非感想お聞かせください。